12/29
久しぶりに映画、観に行こうかな
と、上映中の映画を調べる
【恋人たち】
"それでも人は生きてゆく"
というサブタイトルの
それでも、
という言葉から
「何か、ただ事ではない絶望があるのだろう。」と想像した。
この物語の中の人は一体、どんな絶望を背負って生きていかなければならないのかを観てやろう
という少し意地悪な気持ちもあって
【恋人たち】を観ることにした。
番宣が始まった頃に映画館に到着したので、そろそろと自分の席に向かったのだけれど、半分程埋まっている席に平日お昼の上映ということもあり若者が見当たらない
きっとこの映画館の年間パス的なものを駆使して頻繁に観にきているのであろう年配者が過半数で、いつもと違う空気の現場に新鮮な気持ちで席についた。
この映画、出だしから主演1人の語りが突然に始まる。
この手撮り感のある映像の中で彼が話す言葉から、以前いたであろう恋人が今はもういないということがわかる。
彼含め主演は3人いるのだけれど
恋人たちと言いつつこの物語は
【いわゆる恋人たち】とは違った
角度からの物語だ。
期待していた絶望感は映像全体の雰囲気として存在していたけれど、
そんなやりきれない生活のなかでも面白い要素が存在したのが収穫だった。
それが、詐欺でも、暴力であっても
可笑しくて笑える出来事っていうのは、彼らが求める求めていない関係なく降りかかる。
子供の頃、叱られた後に拗ねながら観てしまった漫才番組に笑いたいけどなんとか堪えている、あの感じがした。
今回良かった所は、館内の客が醸し出す玄人感が恋人たちを観るにあたってとても心地よかった所だ。
この類の映画で、老若男女が入り混じった館内で観るアクション物のように、リアクションをとる場面、例えば笑うポイント、泣くポイント、を強制するかのような、謎の全体の一体感を出されると凄く観づらいからだ。
"周りの客の丁度良い存在感"これが映画館へ足を運んだ時
「あ、今日は当たりだ」「あ、お金ね返してほしい」の別れ道である。